アトピー性皮膚炎

2013年08月07日

先日、アトピー性皮膚炎の発症に重要な役割を果たすたんぱく質を突き止めたと、兵庫医科大と三重大の共同研究グループが発表したそうです。


アトピー性皮膚炎とは、良くなったり(寛解:かんかい)、悪くなったり(増悪:ぞうあく)を繰り返す、かゆみのある湿疹を特徴とする皮膚疾患です。多くの患者さんは皮膚が乾燥しやすい素因(ドライスキン)とアトピー素因(アレルギーを起こしやすい体質)をもっています。


日本人の少なくとも約20%はアトピー性皮膚炎の患者と言われています。

アトピー性皮膚炎の原因ははっきりとわかっていませんが、遺伝による体質に、環境などが強く関係して発病すると考えられます。それぞれにはアレルギーに関係するものと、それ以外のものがあります。

2歳までの場合、アレルギー的因子(アレルゲン)として代表的なものは、食物とダニです。食物で代表的なものは、卵、牛乳、小麦や大豆です。3歳以降は食物の影響はほとんどなくなり、ダニや花粉の影響が大きくなると考えられます。

自分がどんなものに対してアレルギーを持っているかは、検査で調べることができます。

アレルギー以外では、繰り返し掻くことによる刺激、汗の刺激、乾燥、化学物質の刺激、ストレスなどの心理的な原因などがアトピー性皮膚炎の発病や悪化に関係しています。

アトピー性皮膚炎でみられる主な皮膚の状態には、次のようなものがあります。

・かさかさと皮膚の水分が少ない乾燥した状態(乾燥

・フケのようなかさかさしたものが落ちる(鱗屑:りんせつ)

・赤い腫れ(紅斑:こうはん)

・ぶつぶつした小さなドーム状の盛り上がり(丘疹:きゅうしん)

・大きめのごつごつしたしこり。強いかゆみを伴う(痒疹:ようしん)

・掻き壊したあとにできる、かさぶた(痂皮:かひ)

・みずぶくれ(水疱

・皮膚の浅い部分がはがれて、じくじくとただれた状態(びらん

・掻き壊しを繰り返して、ごわごわと皮膚が厚く硬くなってしまった状態(苔癬化:たいせんか)

アトピー性皮膚炎は、年齢によって皮膚の症状が変化するのが特徴です。

乳児期(1歳未満)


初めは顔や頭に、そのあと次第に全身にじくじくした腫れ(紅斑)やぶつぶつ(丘疹)が現れます。頭や眉毛には、黄色いかさぶたのような湿疹ができます。これらの症状は、アトピー性皮膚炎でない乳児にもみられるもので、自然に治ることも多いため、すぐにアトピー性皮膚炎と診断することはできません。症状が2ヵ月以上続いた場合にアトピー性皮膚炎の可能性が出てきます。

幼児・小児期(1歳~15歳)


この時期になって初めて、アトピー性皮膚炎の症状がはっきりしてきます。乳児期はじくじくした発疹でしたが、この時期には皮膚が全体にかさかさしてきます。肘や膝の裏などの関節の内側には、あせものような発疹やじくじくした発疹がみられ、ごわごわした皮膚(苔癬化)になることも多くあります。またこの時期にはさまざまな合併症を起こしやすくなります。

青年期・成人期(16歳~)


皮膚の乾燥やごわごわ(苔癬化)はさらに進みます。特に上半身に多く現れます。手足の外側にごつごつ(痒疹)ができることがあります。顔の赤みがとれなくなったり、ぶつぶつ(丘疹)に混じってじくじく(びらん)ができることもあります。炎症を繰り返すために、首などにはさざなみ状の色素沈着が起こります。この時期には掻くことがくせになってしまう人が多く、「掻く→炎症がひどくなる→掻く」という悪循環が日常的なものとなります。合併症の中では特に、単純ヘルペス感染症や目の合併症などが起こりやすくなります。

アトピー性皮膚炎の人の皮膚は、皮膚のバリア機能が低下していることや、掻き壊したひっかき傷があることから、細菌やウイルスに感染しやすくなっています。

アトピー性皮膚炎の治療には、3本の柱 「薬物療法」、「スキンケア」、「原因・悪化因子の除去」があります。

最も大切なのは薬による治療です。適切に正しく薬を使うことで、症状を早く改善して、良い状態を維持することができます。

医師の指示に従ってステロイドの塗り薬やステロイド以外の免疫抑制薬の薬を適切に使ったり、スキンケアを行えば、症状を上手にコントロールできます。

とはいってもアトピー性皮膚炎には治療薬はなく、対症療法しかありません。さらに研究が進んで、早く治療薬が開発されるといいですね。


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